スピーチ
スピーチ 2009年
映像/6:05
偶然、インターネットでみつけた遠い異国の少女のスピーチ映像に、彼女が一体何を話しているのかわからないまま、勝手に字幕を付けた。だらだらと続く字幕の言葉は、少女の力強い調子や仕草の力を借りて生き生きとしていき、やがて字幕の方がだんだん力を増して彼女から独立していく。例えば、夢を見ている間に現実をすっかり忘れていたり、夢の中の登場人物に自分が含まれておらず、目覚めれば 何もしていないただの傍観者であった自分がいた事に気がつく瞬間。例えば、一日中 youtube で他人の映像ばか り見ていて、やがて窓の外は暗くなり、何もしていないただの鑑賞者でしかなかった自分に気がつく瞬間。それで もなお私たちは語り続けなければならない、そんなようなことをしゃべらせている。
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