rhythm

「rhythm」 相川勝・小沢裕子

会場:gallery αM

rhythm

この空間には何もありません。しかし先程から蛍光灯が点滅しています。この点滅は、受付カウンターの中にいる監視員の瞼の開閉とリアルタイムに同期しているのです。その監視員が瞼を開いているあいだは蛍光灯が点灯し、瞼を閉じているあいだは蛍光灯が消灯します。まばたきの周期は、生体的にも、心理的にも、その時の状況を反映しています。これはあなたの存在と互いに影響し合いながら変動しているのです。このようにして 見る/見られる がせめぎあってスリリングな『リズム』がここでは形成され続けているのです。



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私たちは今回の作品を制作するにあたり、共作という形を取っている。まず始めに、お互いの今までの作品と制作プロセスを確認し合った。そこから「領域」というキーワードを見つけ出したのだった。

相川・小沢はそれぞれ、既にこの世に存在している他者の表現を媒体として制作してきた。例えば、相川が断続的に制作している「CDs」は、既存のCDの音楽を自分で歌い直すことで、他者をトレースしていくものである。小沢もWeb上に点在している見知らぬ人の動画や、テレビで流れている他者の声などを使って制作していた。しかし、それぞれがそこに意図することは正反対であった。相川は他者の領域を自分に取り込んで自己を広げてゆきたいという欲望があったのに反して、小沢は他者で埋めていくことで自己を補完したいという欲望があったのだ。

私たちはこのような認識の違いについて興味を持ち、自己の「領域」というキーワードを持って話を積み重ねていったのである。今回のαMのギャラリーで、私たちはその定まらない「領域」を可視化しようと試みたのだ。

相川勝・小沢裕子



目が閉じられて部屋が暗くなった瞬間だけ、壁面にこのような文字が浮かび上がります。